製品公式ページ http://www.roland.co.jp/products/jp/TRI-CAPTURE/
ニコ生で人気の有ったオーディオインターフェースRoland(Cakewalk) UA-4FXという機種があります。UA-4FXはUA-4FXで良い製品なのですが、生放送だけに使うには価格が高いし、そもそも生放送や配信用途の製品ではなく放送用の設定が面倒でした。
そこで、Roland社から新たに発売されたUA-33 TRI-CAPTUREが、生放送の用途に使える【LOOP BACK】モードを搭載し、価格も控え目、設定が簡単になりました(その分エフェクター部分が無くなりました)。
生放送に音声エフェクトを使用したい場合右のリンクをを参照。 | TRI-CAPTUREでエフェクト(このページ下の方) TRI-CAPTURE UA-33でマイクエフェクト その2 |
UA-33 TRI-CAPTUREは生放送用の設定が簡単
生放送用の使い方
取扱説明書が丁寧なので、まず読む。 付属CDまたは公式ページのUA-33 TRI-CAPTUREのドライバをインストール。 インストール画面の指示に従い、UA-33 TRICAPTUREをパソコンに接続します。 |
(MONITORはOFFの状態でもLOOPBACK中のINPUTの音は放送などに録音されます。自分のマイクを聞きたくない場合はモニタOFFでもOKです。) | INPUT1(MIC)のつまみ音量を上げます(最大でOK)。 REC MODEのスイッチでLOOP BACKを点灯にします。 INPUT MONITORのスイッチをONにします。 PHONES音量つまみを自分に都合よく調節します。 |
自分の放送画面の音量をミュート(消音)にします(エコー、ループ、ハウリングの防止)。 |
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この機種は生放送での使用が考慮されていて、設定がかんたんです。説明書をよく読めば、おおよそのことが解決すると思われます。
価格参考と 無いと困るヘッドフォン端子用ステレオ変換プラグ
TRI-CAPTURE UA-33 | マイクスタンド 他にも小型スタンド | XLRケーブル付属のSHUREマイク。 個人生放送マイクはスイッチが有るタイプも持っておくと地味に便利。 | ヘッドフォン端子 3.5mm→6.3mm変換プラグ(ステレオ) |
TRI-CAPTURE [UA-33] の色々ガイド
超が付く初心者、オーディオインターフェース初めて、用途は生放送がメイン、ダイナミックマイク(または48Vコンデンマサマイク)を使いたい、ギターとマイクとキーボードやシンセサイザー等を同時に使って生放送がしたい、等に複数当てはまる場合に店員さんに聞いたら勧められそうな製品がTRI-CAPTUREです。とにかく初心者・インターネット生放送の需要を意識されて発売された機種です。
マイク用の6.3mm標準プラグ(フォーン)→XLR端子変換プラグ(変換ケーブル)が同梱されています。 AT-X11や、SONY F-V320みたいなタイプの付属マイクケーブルの場合でも付属の変換プラグ利用でTRI-CAPTUREのマイク端子に接続できます。 意外な同梱品に初心者さんや中高生配信者さん等のライト層への配慮を感じる製品です。 (同梱変換プラグは製品公式ページの詳細に記載がないため、予告なく変更される可能性が有ります) | 良い部分 説明書が日本語で詳しい。 生放送の設定がかんたん。 RCA端子(赤白の)→6.3mm標準プラグの変換プラグが2個同梱。 マイク用の6.3mm→XLR変換プラグも同梱。 生放送に使えるLOOP BACKモード。 手元で音量調節できる(けど放送用の音量調節やマイク音量についてはいまいち融通がきかない)。 音量メーターランプ搭載、視覚で音量を確認できる。 UA-4FXと比較してダイナミックマイクでも音量不安が無い(ただし、マイク音量つまみは最大に) DAWソフト「SONAR X1」のLEバージョンが同梱。 |
「操作部に乗っける日本語のガイドパネルも有るし、必要なスイッチを押して、音量つまみを回すだけで設定できるのでかんたん。困った時は、説明書の『故障かな?と思ったら』が詳しいよ。」
残念な部分は、「初心者向き、ニコ生向きの機種」という部分になりそうです。
価格や用途を考えれば悪くはないのですが、満足感低めです。
単純にUA-55と比較して録音音質がいまいちでした(2011年4月に購入した個体についての評価です。その後のバージョンアップや仕様変更や個体差や環境の違いを考慮していません。また当方の使い方や設定方法が間違っている可能性があります。そうとは気づかずに録音音質がいまいちと言ってしまっているかも知れないのでご注意ください><)。
生放送をしない場合には他の機種の方が端子や機能の面で良いんじゃないかと思います。
どうせ長く使うものなので、安価という部分にこだわると後々損をした気分になります。
マイクやギターとBGM等をミックスダウンした録音をする生放送用途には使い勝手が良いですが、他の用途での利点が無さそうです。
上位機種のQUAD-CAPTURE UA-55を試してみました。UA-55の方がUA-33よりも、ソフトウェアでマイクエフェクトをかけた生放送にも使いやすく、ハードウェアのノイズゲートやコンプレッサも利用できて便利でした。UA-55にもステレオミキサー機能に該当する機能があり、生放送にも便利に使えます。
UA-33の場合、生放送用に同時に接続できるのがマイク+ギター+ライン入力(RCA)ですが、
UA-55の場合はマイク+ギター(orマイク)+デジタル同軸になります(ライン入力も有りますがマイクorギター端子のLRそれぞれと共用で同時入力不可能)。もしかするとマイクとライン入力を同時に使用したい場合にはUA-33の方が汎用性が有るかもしれません。デジタル同軸出力端子のあるシンセサイザーやミキサーが有るの場合にはUA-55のデジタル同軸入力端子も活用できます(がUA-55のデジタル入力はサンプルレートを合わせないと他の音が出なくなって使いづらいかも)。
UA-4FXだとダイナミックマイク音量が弱い言われやすかったため、UA-33 TRI-CAPTUREのマイク音量が購入前に気になっている方も多いかと思います。主観ですがUA-33のマイク音量は放送用に十分使ます(UA-4FXでもコンプレッサ使うなりで十分音量稼げます)。ただし、音量つまみ最大の所で突然マイク音量が十分な音量になる、最大以外だとマイク音量小さいという仕様みたいです。
とりあえず生放送用のマイク音量としては十分な音量になります。とりあえずマイク音量はダイナミックマイク利用でも、48Vコンデンサマイク利用でも問題無さそうです。
TRI-CAPTUREについてもっと詳しく
「生放送の音量調節がよくわかりません。」 「これ、手元で音量操作できそうだけど、実際使ってみるとIN1のマイク音量はON,OFF程度しか調節できない様な(IN2,IN3はそこそこ調節しやすい)。あと、放送用のBGM音量はWindowsの音量ミキサーか、音楽プレーヤーの音量で調節しないといけないっぽい感じなので、手元音量調節に期待してるとがっかりしちゃうんじゃないかな。」 「マイク音量については後述のCantabile Liteでエフェクトかけて生放送する方法にすれば、柔軟にマイク音量を調節できるので別に問題ない気もするけど、手元で放送音量もかんたん操作したいユーザーさんには残念かも。」 「TRI-CAPTURE本体のヘッドフォン音量のつまみは録音音量(生放送の音量)には関係ないみたいなので自由に調節してOK。」 |
録音モードについて MIC/GUITERモードの場合、マイクが左に、ギターが右に録音されます。 マイクが左に寄っちゃう、マイクを中央にして録音したい、という場合は ALL INPUTSか、LOOP BACKモードにして録音をします。 |
UA-33のLOOP BACKモードは他の機種のLOOP BACKとは違うよ!
「UA-4FX,UA-1G,UA-25EX等の旧製品にもLOOP BACK有ったような気がします??」
「結構前からあるよ。でも、UA-33のLOOP BACKは前のと違って生放送用にマイクと同時にBGMが使えるよ。」
「??何か違うのですか?」
「以前のLOOP BACKはLOOP BACKにするとPC内の音(BGM等)だけになっちゃって、マイク音が入れられなかったよ。UA-33のLOOP BACKはマイクとBGM(あと、ギター等のINPUT2,3の音)が同時に使えるよ!だから生放送用には使いやすいLOOP BACKモードになってるよ。」
「よくわかりませんが、他のとは違ってUA-33のLOOP BACKは生放送用には使いやすいみたいです。」
TRI-CAPTUREだけど生放送にエフェクト使ってやんよ( ・ω・)=つ≡つ
UA-4FXはエフェクター搭載でしたが、低価格化されたUA-33 TRICAPTUREにはエフェクターが無いです。でも何とかしてみます。一応、マイクだけにリアルタイムでエフェクトができて、BGMにはエフェクトをかけずにマイクとBGMを同時に生放送に使用できます。 ちなみにこの方法はTRI-CAPTURE以外のオーディオI/FでもOKだったりします(ASIO対応推奨)。
必要なもの | VSTeホスト用のソフト | TRI-CAPTURE同梱のSONAR X1 LEでも可能ですが、エフェクト用に使いたいだけなので、今回はフリーソフトのCantabile Lite等推奨 VSTeプラグイン…リバーブMVerb、等 |
パソコン本体側にライン入力 | ライン入力が無いノートパソコンなどの場合は、USBのライン入力増設等が手っ取り早いです。他にも何とかする方法はありますが、今回は省略します(Cantabile Lite以外のソフトででASIOじゃなくい方法を使って、遅延は我慢してXSplitの再生音キャプチャでエフェクト音を取り込む等(一応それなり)、Virtual Audio Mixer使用等(これもこれで便利)、PC本体側のスピーカーをエフェクト後の出力先に指定して既定の再生デバイスも本体側スピーカーにしてPC本体側のステレオミキサーを放送用に使用等(かなり面倒)、マイク端子をライン入力代わりに(モノラルになる、雑音気味で残念な場合がある)等) ノートパソコンの場合はLOOP BACKモードを使って、音量調節に気をつけてエフェクトを生放送に使っちゃうのが簡単かもしれません。 |
配線・接続例
ライン入力が必要。 LOOP BACK以外にします。
MIC/GUITERだとマイクが左に寄ってしまうので、ALL INPUTの方が良さそう。
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ノートパソコンの場合はLOOP BACKモードを使って、音量調節に気をつけてエフェクトを生放送に使っちゃうのが簡単かもしれません。 |
Cantabile Liteを起動してオーディオデバイスの設定をします。
VSTプラグインを放り込んで、CantabileのInputのチェックとRackのマイクアイコンをONに。
画像例で使用しているリバーブのプラグインはMVerb
他にもRoomReverb(リンク先の[Download OLD buzzroom VST Plugins Pack]から)、
MuVerb等。歌枠・カラオケ枠等ではリバーブの需要が多いので、まずはリバーブをかけてみます。
音量調節やプリセットの選択。
TRI-CAPTURE本体のモニターのスイッチは、リバーブを使う程度ならモニターONのままでもOKです。
ボイスチェンジャーを使いたい(RoVee)場合等は
TRI-CAPTURE本体のモニタスイッチはOFFに、CantabileのDry音量はMuteにします。
各配信ツールごとの、音声の設定 をします。
今回の設定の場合、音声に【IN (TRI-CAPTURE)】を選択するとエフェクト無しの音に、
音声に【ライン入力】を選択するとエフェクト後の音が放送に使用されます。
ニコニコ生放送のかんたん配信の場合は、配信ツールの音声に【ライン入力】を選択します。 |
(画像は2011年4月時点でのFMEのバージョン4で、まだバグが多いです) | FME(Flash Media Live Encorder, FMLE)の場合も、オーディオ機器に【ライン入力】を選択します。 |
XSplit Broadcasterの場合は 【Tools】→【Settings】→【Audio Microphone】に、【ライン入力】を選択します。 |
XSplit Broadcasterの補足 (今回はXSplitマイクの機能のところに【ライン入力】を設定しているため) | XSplit Broadcasterのスピーカーの再生音取り込み機能では、ASIO経由のマイクエフェクト音はXSplitに取り込めないようです(ASIOの仕様上の理由で)。 再生音取り込み機能ではなく、ライン入力が使用できれば良いので、XSplit操作画面のスピーカーアイコンはミュートにします。 XSplit操作画面のマイクアイコン側のみを利用します。 |
リバーブ以外にもエフェクト色々
VSTプラグインエフェクトが有れば、リバーブ以外にもエフェクトが色々使えます。
Cantabile Liteで色々なエフェクトの重ね掛けもできます(エフェクトを増やし過ぎると低スぺPCの場合は音がプツプツしてきます。音がプツプツする場合はASIOバッファサイズを増やす等の設定が必要になります)。
とりあえず、生放送用に ノイズ対策にゲート+コンプレッサ+ボイスチェンジャー+ディレイ を使ってみます。
マイク音がこもるという場合には、イコライザ等も使ってみると良いかもしれません。
プラグインを複数重ねて、音がプツプツしてくる場合は Cantabile Liteのバッファサイズを上げます。 上げ過ぎると遅延が増えて使いづらくなりますので、バッファ設定はできる限り小さい方が良いです。 |
ReaGate (ReaPlugs) ゲートです。 ReaGateの設定は 無音状態の時に左の音量ゲージが環境音を拾って動いてるあたりより少し上にReaGateのスライダを設定すると、設定値以下の背景環境音等がゲートを通過しなくなります。 マイク手持ちの場合などにハンドリングノイズがゲートを超えると不自然になってくるので、微ノイズ程度ならゲートは使用しない方が良いかも。 |
Compressive コンプレッサは音が小さいところを引き上げたり、大きいところを抑えたりします。 とりあえずCompressive Liteのプリセット4 Vocalsにすると、声量を上げた時の音割れが減ります。 |
RoVee かんたんに使えるボイスチェンジャー的動作のプラグインです。 音程とフォルマントを独立してコントロールして、男声、女声、ロボット風などの声を作り出す事ができます。 ボイスチェンジャーのON/OFFの操作はCantabileの場合、Rackに表示されるプラグイン名の左の【Zz】のアイコンのON/OFFが楽です。 |
ReaDelay (ReaPlugs) たまに語尾にディレイをかける程度に使ってます。 LengthとFeedbackの値を適当に調節して、Cantabileの【Zz】でONにしたいときだけONにします。 本当にたまに使う効果程度で、通常時はOFFが無難です。 |
音声エフェクト使用時のTRI-CAPTURE本体のMONITORスイッチについて リバーブをかける程度の時は、TRI-CAPTURE本体ののMONITORスイッチはモニターONのままでもOKでしたが、ボイスチェンジャー等の色々な効果を使っていく場合には、TRI-CAPTUREのMONITORスイッチはOFFにしてCantabileソフト側のみでモニタを行う方が、調節が柔軟です。 |
付属ソフトの SONAR X1 LEでエフェクト
フリーソフトのCantabile Liteを使用して音声にエフェクトを掛ける方法を紹介しましたが、付属ソフトのSONAR X1 LEでも音声にエフェクトをかけることができます。 SONAR X1 LEのモニタを有効にして、エフェクトを適用します。 でも生放送のリアルタイムエフェクトに使う程度の場合は、Cantabile等のソフトの方が使い勝手が良いんじゃないかと思います。 |
SONAR X1 LEと付属のエフェクトも色々使えます(何度も書いていますが、広い操作画面や機能が多すぎるため、生放送用には使い勝手が良くないかも)。 ニコ生ではなく、ニコ動の方の「歌ってみた」や、ボカロ、DTM関連の用途場合には便利なDAWソフトです。 |
関連ページ
TRI-CAPTURE UA-33でマイクエフェクト その2
TRI-CAPTURE (UA-33) 不具合のお詫びとアップデート(無償回収修理)のご案内 2011年6月3日
http://www.roland.co.jp/support/Information/detail.cfm?recordID=62118730